自殺しようとしたら友人たちが駆けつけた話

2021年の、12月10日。

あ。死のう。

そう思い立ったら即行動だった。

カバンの中をまず整理。

見られたくないものは捨てて。

充電を満タンにして、最後の身辺整理を済ませた。

死のうとした明白な理由は無い。

色んな問題が重なっていて本当逃げ出したくなったのだ。常に希死念慮に狂わされているものの、本当に実行に移す勇気は無いから。

私があそこまでしたのは相当に珍しい。

ツイートを遡ってみた。

トリガーとなったのは学校の先生の言葉みたいだ。

なんでこんなこともできないの?

みんなやってるんだよ

xxさんだけ面倒って思ってる訳じゃないから

少しは頑張ろうよ。

ご尤もな意見である。

しかし、受け入れたくなくて、死んで逃げよう。

安直バカ。泣いて逃げだした。苦しかった。

些細な言葉が散弾銃のように心を打った。

友達と喧嘩してた。

母親が私の陰口を言っていた。

テストの結果が悪かった。

クラスメイトから嫌がらせを受けた。

多分、そんな些細な積み重ねで。

今、思い返せばショーも無い理由だなあ。

それでも、どんなに小さなことだってひねくれ頭の私によって、全て希死念慮へ置換されるのだ。

コンビニ。レジが怖くてお茶1つ買えない。

肉まんくださいの一言すら言えない。

それが嫌でまた死にたくなったりとか。

これは1例に過ぎないけど。

その程度の本当に、些細な理由。

そんな人間があのような暴言(では無いが私には暴言のように思える。)に耐えれるわけがない。

現実の友人に今から死にます!なんて言えないから

Twitterの鍵垢で、今夜死にます、とだけ呟いた。

それから、ごめんなさい。裏切ってごめんね。ってひとしきり騒いだ後先述の通りアレソレ整頓した。

死ぬのが怖くならないようにブロンをザラザラ体内に流し込んだ。とにかく飲んだ。

リアル関係のTwitterアカウントのタイムラインではクリスマス、みんなで会おうよって浮かれた話で持ち切りだった。さらっと私も誘われていた。

「うん!行く!」

って当たり障りない返事をしたが、私にはもう明日が来る予定は無いのに。と、少しだけおセンチな気持ちにもなってしまうものだ。

数時間して、鍵垢のフォロワーがTwitterに浮上。

どうやら泣かせてしまったみたいだ。

死なないで考え直して、っていう言葉が痛かった。

立場を反対にして想像して、吐きたくなるくらい寂しかった。それでも私は生きる勇気のがなかった。

自分がされたくないことを他人にはするのだから、私は本当に最悪な人間だ。

でも、「ごめんね。」としか返せなくて。

 

死んで君が幸せになれるなら止めないけど寂しい。

って言葉も

死んだら恨むからな。

って言葉も、

フォロワーによって反応は様々だった。なんだか可愛いから不謹慎ながら笑ってた私がいる。

5人ほどしかFFの居ないアカウントだったけど

みんな、思ったより私のことを大切にしてくれていたんだと、馬鹿な私はこの時初めて気付いたんだ。

 

「ねえ、今から会いに行くっていったら、留まってくれる?会ったあとは、もう引き止めないから。」

 

そんなツイートをしたのは、私の1番とも言える友人。ネットの、友人。過去に1度だけオフ会をしたことがある。お互いの住みがそこそこ遠くて、なかなか会えないから、1回だけ。だからこそ、そのツイートは冗談だと思った。だから、最後に1回会いたかったなあ、って軽はずみな発言をした。

 

「わかった。2、3時間生き延びてね」

 

そんな感じの事を言われた気がする。えっ。と思った。まさか冗談だろ?と思ったが、素直に待つことに。街の充電スポットへ足を運んだ。財布と充電器を忘れてたことを知る。電子マネーをチャージしてコンビニで充電器を購入後、充電スポットへ帰還。瀕死だった、ケータイが回復する。

そこで思わぬ出来事が起こる。部活の後輩(男)とその友達にエンカウント。私は男子がトコトン苦手(というか怖い)ため、いそいそと横でケータイを触ることしか出来なかったけどさ。

今から死ぬんだー。私。なんてアホ抜かすことは出来ないから、他愛ない話をしていた。特別仲良くないし気まずいなー。と思ってた、途端のこと、リアルの友人から鬼電が来た。さっき、Twitterのタイムラインでクリスマスの話をしてた子だ。

えっ?えっ?と焦る私。

LINEの通知が鳴り止まない。

 

「まって、死なないで。」

 

文字が目に飛び込んだ瞬間冷や汗がどっと吹き出した。なんでバレてんの?と思ったが、その謎は割と早く解明された。

鍵垢のフォロワーのひとりが、その子に告げ口をしたようだ。(おいこらっ)

怖くて電話に出れずにいたら、怒らないからお願いだから出て。と懇願されるもので、恐る恐る出ると、電話先で鼻をすする音がした。

 

あっ、泣いてる。

 

自分のために泣いている。

それがどれほど有難いことか。

当時の私は感謝の言葉は出なかったけど。

軽く話して、今日は泊まっていくか?と聞かれた。

いいや死にますとは言えずうんと言ってしまった。

今から行くから死なずに待ってろと言われた。

 

あ、そのセリフ、2回目!ぼんやりツッコんだ。

友人は、チャリ爆走で割と直ぐに来てくれた。

彼女の顔を見た瞬間私の中で何かが崩れて、涙が止まらなくて、気がついたら彼女に抱きついていた。優しく背中をさする手がとても苦しかった。

後輩は友人が駆けつけたのを見て笑っていた、どしたん。って。私と友人は、私の死を間際に覚悟してるけど、彼は私が死ぬなんて微塵も感じていないのが、なんだか不思議で面白くて。ぶは、と吹き出して笑ってしまった。(謝ったよ。)

 

さて、ここで1人の友人が来てくれた訳だが、ネットの彼女もほんとにこちらに来ているようだった。

まさか、本当に来てくれるなんて。

ゼンリーを見た。交換していたから。

乗用車で来ているようで 私は本当に混乱した。

自動車の免許は既に取得できる年であるが…。

彼女は車を運転できないことを私は知ってる。

 

「まって、ほんとに来てくれるの?どうやって…?」

「うん。友達の友達に運転してもらってる。」

 

ええ、そんな、そんな、嘘。

罪悪感と焦りとか。

こんな大事になるなんて思ってなくて。

 

「ね、ネットの子が、今から、来るって…。」

 

友人と後輩は、良かったね。と笑いかけてくる。

嘘じゃない、アプリを再度立ち上げても、確かな位置情報はこちらに向かってくれてる。少し…いや、凄く、とっても嬉しい。だってさ、私のために、夜遅くに家を飛び出してくれたんだよ。自分が嫌になった。かまってちゃんしてるだけみたいで最悪。

 

正直、ここだけの話。この時点で死ぬ気は半分薄れていた。飛び取りで死ぬ気だったため、友人の家を深夜抜け出して死ぬにしても場所がない。(近所にはあるの。)それに、ネットの彼女はわざわざ遠くから御足労頂くのに死んだらダメかなあって。ただただ、将来への不安は募るばかりなのに、死という退路を断たれめちゃくちゃ絶望していたけどね。

 

さて、後輩に別れを告げて、友人の家に。

母に今日は友人たちの家に泊まると連絡した。

当然だが、とんでもない暴言と怒声がとんできた。

怖くて電話をブチ切った。

もう聞きたくなくてブロックしてしまった。

 

友人のお母さんに怒られてしまった。

でも怖いんです、ってボロボロ泣いていたら、代わりに電話をしてくれた。迷惑かけてごめんなさい。

 

どうやら母は特例で私が帰らないことを認めてくれた。薬が回って吐き気が凄かったけど、貰ったカレーを食べたら吐いてしまった。ていうか、何故か友人にODバレていた。この友人とは、わたしのメンタルがゴミカスでガチ喧嘩をしたことがあるので、あまりそう言う面を見せないようにしていたが、この日ばかりは仕方なかったのだと言い訳してみる。

 

23時40分頃、ネットの彼女から着いたと連絡が。近くのコンビニへ走る。いたんだ、ほんとうに、私のためにきてくれたんだ。私こんなに大切にしてもらってたんだ。とまた泣いた。一緒にいたのはほんの10分ほど。そのために約往復6時間をきてくれた。

 

高一の頃から、苦しいことがあると私は決まっていちごのハイチュウを食べている。

この日も沢山食べていた。

おいしいおいしい!ってツイートしていたら

ネットの彼女が2種類のいちごのハイチュウを買ってきてくれた。

私にとっていちごのハイチュウは大切な思い出のあるものだったが、さらに思い入れが強くなった。

私の棺桶にはいちごのハイチュウ入れてね。

ネッチネチになるだろ、ばかっ!

 

翌朝。

友人は私を起こした。

気付いたら私寝てたみたい。

友人はカーテンを開けて、

 

「みて、朝日だよ」

 

と笑った。

その夜、起こった数々の事実は私の寿命を伸ばすのに、充分過ぎるほどの理由を与えた。

彼女たちがいなきゃ、きっと消えてた命。

大切にしてもらっても希死念慮は消えなくて、

今日も死にたいんだと嘆くけど。

昨日買ってきた首吊り用の縄を結っていても。

私が、まだ息をしてるのだ。

 

 

おまけ

(たまたま、ネットの、友人と靴がお揃いで笑った。)

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